施食会について
わかちあう喜び
施食会は施餓鬼会ともよばれ、仏教徒としての「わかちあう心」を表わした呼び名です。 施食会の願いは、自らの欲深い気持ちを反省し、亡くなった人々に感謝の誠を捧げるために食を施させていただくという大切な行持(行事)です。
施食会の飾りつけは、四方に竹笹を立てた祭壇をつくり、いろいろな幡を立てます。 祭壇の中央に三界万霊塔、灯・華・香を供え、桶にはご飯・水の子(細かくきざんだ野菜と洗米をまぜたもの)・水を入れます。その他山の幸、海の幸をお供えします。
施食会は、人々が互いに分かち合い、支え合う喜びを共にし、亡くなった人たちにも感謝の誠を捧げる大切な行持です。奪い合えば人は傷つき、分かち合えば人にやわらぎがあらわれてきます。施食会を通して布施の精神を知ることは大変重要なことです。
当山ではお盆の合同法要と合わせて厳修しております。
甘露の法門
施食会でとなえる経文を「甘露門」といいます。
このお経は、まず清らかな道場に、もろもろの仏・菩薩さまをお迎えし、一切の迷える魂(餓鬼)に食を施し、みんなで悟りを開こうと誓います。
仏に対する祈りの言葉、真言を唱え、五如来のお出ましを願います。
五如来の功徳
- 一、多宝如来
- むさぼり・怒り・愚痴の三毒をコントロールして、一切の魂を満たしてくれる。
- 二、妙色身如来
- 怒りにもえた顔や姿になっても福徳円満の徳相を授けてくださる。
- 三、甘露王如来
- 身心の汚れが浄化されてやすらぎをを与えてくださる。
- 四、広博身如来
- 傷つき満たされない魂のために飲食供養をして温かく包んでくださる。
- 五、離怖畏如来
- 不満の塊のように飢えた魂を慈悲の念でつつみ安心を与えてくださる。
五如来の徳の光は、餓鬼をどんな状態にあっても救いとってやろうという大乗仏教の願心の表われであります。
また、五色(青・黄・赤・白・黒)の幡の色は五如来の働きをたたえたそれの象徴であり、宇宙の調和をなりたたせる性質をも表しています。