仏事について
仏事とは
仏教で行う行事であり祭事のことで、普通は「法事」とよばれています。
今は亡き人やご先祖に対して営む供養をさして法事と言っています。 それは身近な肉親であったり、親戚縁者であったりさまざまで、また、その祭壇や仏壇の祀り方も地区によって多少異なりますので、不明な点はお寺にご相談ください。
自宅の法要では、仏壇で営まれることもありますが、基本的には床の間などに、三段程度の壇飾りをしてお祀りします。 お位牌を上段中央に安置し、上段が軽いもので、下段が大きくて重い物というピラミッド型にバランスのとれた様子が良いでしょう。 いずれも丹念にお掃除をし、お茶湯や仏飯・季節の花・お供物等に気を使いましょう。
また、線香立ての灰が固まったり、燃えカスが溜まったりしていないでしょうか。灰ならしもときにはして欲しいと思います。 お位牌の位置は、向かって右にご先祖様、左が新亡様のお位牌と、右から左へ考える場合と、 ご先祖を中心にして、右左・右左へ内から外へと振り分ける形でお祀りする方法がありますので、それぞれでお考えになってください。
お寺(菩提寺)での法要は、俗に「上法事」といいます。個々にいろいろな考え方や対処の仕方があって一様ではありませんが、上法事は自宅でするより簡単に済ますという意味ではなく、自宅でするより格上の法事という意味です。 持参するべき品などは、前もって日時などを相談なさる際にお寺に確認すると良いでしょう。
自宅にしてもお寺で営むにしても、慣習として読経後参列者全員でお墓参りをすることが多くあります。法要日の前には必ず墓地を掃除しておくことも必要です。 ご法事は、生きている私たちが悔いのない幸せを求めて“どう生きるか”を学ばせていただき日でもあり心を込めて行いたいものです。
供養
私たちのつとめる法要を、仏事とも法事とも言いますが、そのほとんどが亡くなった人のための供養です。
身近な肉親であったり、ご先祖様であったりいろいろのお方たちですが、この人たちの生命を相続したことへの感謝と、
よりよく生きる決意の報告の表現が供養であるだけに心込めてお祀りしたいものです。
この、供養をする・・・言い換えれば法事をするということですが、その際に仏事の基本的精神として私たちにどういう心得が必要なのでしょう。
まず、お寺(菩提寺)においてご法事をされる場合を俗に「上法事」と言い、なにか簡単に済ませてしまうといったイメージをお持ちの方もあるかもしれません。しかし、はたしてそうでしょうか。
供養とは本来形式的なものではなく、亡き人のご冥福を祈るために真心を尽くすことが大切で、自宅で営むとしても、お寺で営むとしてもそこには何の区別もありません。 今を生きる者として、いつまでも謝恩の心(誠)をあらわそうとする営みこそが「法要」なのです。
お寺で法要を営む理由としては、自宅と墓地との距離の問題、参列されるお客様の駐車場問題、住宅事情などいろいろな場合が考えられますが、 自宅で営むから丁寧で、上法事だから簡単だというものではありません。各ご家庭の事情によってお寺をご利用いただくことはありがたいことですが、 いずれにしても、故人やご先祖様を大切に思う気持ち、感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。