『青山依舊白雲中』
4月になって一気に暖かくなり、お寺の近くの西川緑道公園では今や桜が満開となっております✿
花が咲き、山の木々が一気に芽吹き、日に日に山の緑が鮮やかにその色を増していきます。
さて、景福寺では、所蔵の軸を本堂の床に掲げさせていただいております。
今回のお軸は、
『青山依舊白雲中』
「青山 舊(旧)に依りて 白雲の中」
(せいざん きゅうによりて はくうんのなか)
「却火洞然として 毫末尽くるも」「青山舊に依りて 白雲の中」出典『五灯会元』
(ごうかとうねんとして ごうまつつくるも)(せいざんきゅうによりて はくうんのなか)
世界を焼き尽くすような却火が燃え上がり、あらゆるすべてのものが焼き尽くされてしまっても、
青山は依然として白雲の中にそびえ立っている。青山の泰然不動である有り様を表した禅語です。そして、その山にかかる白雲は、東に西に、左に右に、上に下へと、自由自在に漂っています。
禅においては、しばしば「雲」は煩悩にたとえられます。
その煩悩におおわれても、「山」という永遠不滅の真理は、必ずそのままの姿で強固であることに変わりがないことを説いているのでしょう。
形あるものは、必ずと言って良いほどに消え去ります。
しかし、万物を司っている真理こそは不滅で、永遠に残ることを示しているのです。
私達に与えられた教えや、体験、そして様々な思い出は、私達自身への肥やしとなり、
その都度、我が身に起こる煩悩や苦難を払ってくれます。
そして、その教えや体験をわが身の糧として、自分自身を調え続けていくことが、私たちの歩むべき道なのです。
作者 丹羽廉芳 禅師 [1905~1993]
静岡出身。永平寺東京別院監院、永平寺副貫首、
伊豆修禅寺住職を歴任後、永平寺第七十七世貫首に就任。
平成五年ご遷化。世寿八十九歳。
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