「光陰虚しく渡ること莫れ」
ついこの間、年が明けてお正月を過ごしたと思っておりましたら
一月も早、半ばを過ぎ如月を迎えようとしております。
時間というのは実に不思議なもので、皆同じ長さであるはずの時間ですが
「非常に長く感じる時間」「あっという間に過ぎ去っていく時間」
人それぞれ感じ方は違うのではないでしょうか?
曹洞宗のお勤めで読む「参同契」というお経がございます。
このお経は唐の時代の中国のお坊さまが書かれたもので
このお経の最後の一節に「光陰虚しく渡ること莫れ」
という言葉があります。
光陰とは月日、つまりは時間の経過のことで
「時間だけが空しく過ぎていく」という表現をたまに
耳にしますが、時間が過ぎるのに空しいとか空しくない
という事ではなく、過ぎていく時間を私たちが
空しく過ごしたり、有意義に過ごしているのです。
長く感じたり短く感じたりする時間
過ぎ去ってしまうとあっという間
その時間は過ぎ去ってしまうと
二度と戻ってくることはありません。
他の何にも変えることのできないこの時間というものを
どのように過ごしどのように感じるかも
全ては自分次第であります。
「光陰虚しく渡ること莫れ」
簡単なようで奥が深い、この言葉を胸に秘めながら
今日も掃いても掃いても掃き終わらない落ち葉を
集めております。