『清風拂明月』
景福寺では所蔵のお軸を本堂の床に掛けさせていただいております。
今回のお軸は、
『清風拂明月』清風明月を拂う
「清風 明月を拂い、明月 清風を拂う」(洞山録)
清らかな風が明月を払い清め、清らかな風もまた明月の白き光に払い清められる。
澄みきった秋の夜空に明月が掛かり、清らかな風が颯颯と吹きすぎる情景を詠じた、秋の季節にふさわしい名句です。
清風も明月も禅の世界では「さとり」を表します。
共に「さとり」の境地を表すものがお互いの為にお互いを輝かせている。
月と風は一体となり決して対立しあうようなものではありません。
善か悪か、好きか嫌いか、という分別をするのではなく、あらゆる執着や妄想を除き去った後の清々しい心境を、秋の夜の爽やかさに喩えられているのです。
秋の夜の爽やかな風の下、明月を眺めながら、心清らかに過ごしたいものです。
作者(筆者) 藤森弘禅 (1925~1984)
臨済宗方廣寺派五代菅長。浜松市生まれ。三島龍沢僧堂に掛塔、中川宗淵の法を嗣ぐ。昭和三十四年方廣寺派慈光院住職を経て、昭和四十六年、方廣僧堂師家に就任、 昭和四十八年、方廣寺派管長に就任。慈光禅会など広く大衆の教化に奔走。 著書「白隠禅師坐禅和讃」、「むもんかん」等。昭和五十九年遷化。世寿五十九歳。
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