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『山高豈礙白雲飛』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

景福寺では所蔵のお軸を本堂の床にかけさせていただいております。

今回の軸は、

『山高豈礙白雲飛』

山(やま)高(たか)くして豈(あ)に白雲(はくうん)の飛ぶを礙(さまた)げんや

この言葉は、「竹密にして流水の過ぐるをさまたげず、山高くして豈に白雲の飛ぶをさまたげんや」という圜悟語録などにある禅語です。

竹がどんなに密集していても、そこを水は流れていきます。水の流れは竹に妨げられることはありません。

山がどんなに高くそびえていても、白雲は悠々とその上を飛んでゆくのです。山が雲の邪魔になることはありません。

この禅語は何ものにもとらわれない心境を詠んでいます。

私たちにとって、竹や山は現実に起こる様々な問題だとみてもいいでしょう。いろいろな事が起こるのが私たちの人生であります。

どんな事が起こったとしても、そこに心がとらわれずにさらさらと水のように流れてゆきたいものです。

悠々と雲のようにゆきたいものです。

しかしながら、心が我の強い岩のような塊であると、竹が密集しているところをさらさらと流れていくことはできません。

静かに雲のようにゆくこともできないのです。

自分中心な物の見方で世界を色づけてしまうと、迷い苦しみの元となってしまいます。

水や雲のようにとらわれなく物事をあるがままにとらえることで、水や雲のように自由なこだわりのない生き方ができると説いてあるのです。

作者 村田悟由 禅師(1834~1915)

大本山永平寺第六十四世管首。永平寺重興。大正4年示寂。世寿八十二歳。

 

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