涅槃図
2月15日はお釈迦様の命日であります。
多くの寺院でお釈迦様の亡くなられた時の様子を現わす「涅槃図」の軸が飾られます。
景福寺でもお釈迦様に感謝を申し上げ、本堂の床の間に涅槃図を掲げさせていただいております。
そもそも涅槃(ねはん)とは、サンスクリット語のニルバーナという言葉を音訳した言葉であり、意味は「煩悩の火が消えた状態」をいいます。
即ち、死にいたりて、完全に煩悩が消え、悟りが完成するという事をあらわします。
ですから、死=悲しみ、だけではなく、真の心の平穏でもあるのです。
そこから仏教では亡くなる事を「涅槃」といいます。
涅槃図の画の中心で金色に輝き、横たわっている方が涅槃にはいられた直後のお釈迦様です。
「頭北面西(ずほくめんせい)」で横たわり、今日でも亡くなった方を北枕で安置するのはこの故事からきています。
お釈迦様を囲うように8本の樹が描かれています。
これらは沙羅双樹の樹であり、実際にお釈迦様は沙羅双樹の木の下でお亡くなりになられたと伝えられています。
8本のうち4本は色が変色し、枯れてしまっています。これは、お釈迦様が亡くなられて、樹木でさえ悲しみのあまり、葉を枯らしてしまったと一説には言われています。
また残りの青々とした沙羅双樹はお釈迦様の教えは色あせることがない永久的な真理を表していると言われています。
この二つを描くことにより、死は必ず逃れる事のできないもので、悲しみではあるが、お釈迦様の教えは未来永劫残るものという普遍的な両方の真理を表しているとみる事ができます。
涅槃図には様々な登場人物がいます。
お釈迦様の弟子たち、八部衆と言われる天部の帝釈天や四天王など、様々な諸菩薩、大臣や長者たち、伝説上の動物や現存の動物たち。
多くの登場人物がお釈迦様の入涅槃を聞きつけ、悲しみ、嘆かれています。
お釈迦様のお姿は、仏教徒の理想の姿として描かれてきました。
涅槃図もまた、理想の死の在り方が示されています。
涅槃図を読み解くことは、自分の死の在り方を考えることであり、死を見つめることは今を生きることを見つめ直すことでもあるのです。
景福寺でも2月末日まで本堂の床に掲げておりますので、お参りの際にぜひご覧ください。
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